天体観測の本を見ていると、天球というものが出てきます。星図を見ると天の北極や天の赤道などと書かれています。
天球の意味をごく簡単に確認してみました。
天球は架空の球
天球は、星の位置を示したりするときに便利なように人間が考えた架空の球です。
地球から空の星を見ると、プラネタリウムのような球に星が貼り付いているように見えます。
そこで、天球という名前を付けたプラネタリウムのような球に星が貼り付いていると考えてみると、星が見える方向などを示しやすくて便利です。
天球は架空の球なので、実際はありません。
実際の星は天球に貼り付いているわけではなく、ある星は地球から10光年離れた場所にあったり、別の星は100万光年離れた場所にあったりで、地球からの距離はまちまちです。
天球の各部の名前、意味
天球の各部の名前、意味をごく簡単にみてみましょう。
天球
地球を包んでいる巨大な架空の球を考えてみます。これが天球です。
地球から空を見ると、星も太陽も月も天球に貼ってあるような感じにイメージすることができます。
天の北極、天の南極
地球の地軸を天球まで伸ばしてみます。
地球の北極の方向に地軸を伸ばして天球とぶつかった場所が天の北極です。
地球の南極の方向に地軸を伸ばして天球とぶつかった場所が天の南極です。
天の赤道
地球の赤道は地球を一周する円の形をしています。
地球の赤道を拡大していって、天球とぶつかった部分が天の赤道です。
地球は豆粒のように小さいイメージ
上の天球の図は、地球の赤道・北極・南極などを描くために地球を大きめに描いています。
しかし、上図のような大きさで地球を描くと、地球の赤道上にいる人が北極星を見たとき、地平線より下に北極星がある状態になってしまいます。
実際は、地球の赤道上から北極星を見るとちょうど地平線の位置くらいに見えます。
地球を描いて、その周りを囲んでいるように天球を描くとしたら、実際は下図のように天球に対して地球は豆粒より小さいイメージになります。
下図のようなイメージなら、地球の赤道上の人が北極星を見たときちょうど地平線の位置くらいに見えることになります。