星野撮影をするためカメラを空に向けます。
例えばオリオン座に自分のカメラを向けたとき、オリオン座全体を撮影できるかもしれません。オリオン座全体は収まらずカメラの撮影範囲からはみ出るかもしれません。オリオン座よりずっと広範囲がカメラに収まってオリオン座が小さくしか写らないかもしれません。
そのようにカメラ本体とレンズの関係で写る範囲は異なります。
自分のカメラではどのくらいの範囲の星空が撮影できるのかを調べてみましょう。
撮影できる範囲はセンサーのサイズとレンズの焦点距離で変わる
普通のフィルムカメラならおよそ24×36mmのサイズのネガフィルムで光を受けて写真を撮影します。
デジカメの場合はイメージセンサーで光を受けて写真を撮影します。
デジカメのイメージセンサーのサイズは何種類もあります。ネガフィルムと同じ24×36mmのサイズのイメージサイズの他、それよりも小さい様々なサイズのセンサーが使われています。
レンズの焦点距離も色々あります。
レンズを交換できるカメラなら色々な焦点距離のレンズを付けられます。
レンズを交換できないコンパクトデジカメでも、カメラの機種によってレンズの焦点距離は様々です。
ズームレンズなら焦点距離を変化させられます。
フィルムのサイズやイメージセンサーのサイズと、レンズの焦点距離によって、カメラで撮影できる範囲は変化します。
カメラのフィルムやイメージセンサーのサイズと、使うレンズの焦点距離を調べて、その組み合わせからカメラで撮影できる範囲を知ることができます。
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータLite」でカメラの撮影範囲を調べられる
アストロアーツの天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータLite」を使ってカメラの撮影範囲を簡単に調べられます。
「ステラナビゲータLite」は「ステラナビゲータ」の簡易版です。
「ステラナビゲータ」は多機能なソフトで、天体観測初級者にとっては多機能すぎます。初級者にとっては「ステラナビゲータLite」で十分です。
「ステラナビゲータLite」を大いに使って天体観測に親しんで、機能に不足を感じ始めた頃に「ステラナビゲータ」を購入するのが良いと思います。
ダウンロード版もあります。
自分のカメラのセンサーのサイズを調べる
まず自分のカメラのイメージセンサーのサイズを調べます。
カメラの説明書の仕様の欄や、メーカーの公式サイトの商品紹介のページの仕様の表などにイメージセンサーの仕様が載っていて、センサーのサイズも載っています。
例えば、
「センサータイプ 1.0型(13.2mm x 8.8mm) ExmorR CMOSセンサー」
と書かれていれば、1.0型(13.2mm x 8.8mm)がセンサーのサイズを示しています。
「撮像素子 23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ)X-Trans CMOS 4センサー、原色フィルター採用」
などと書かれていれば、23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ)がセンサーのサイズを示している部分です。
「撮像素子 1/2.3型原色CMOS」
などと書かれていれば、1/2.3型がセンサーのサイズを示している部分です。
自分のカメラのレンズの焦点距離を調べる
自分のカメラのレンズの焦点距離を調べます。
焦点距離はレンズのどこかに「mm」の単位で書いてあります。
固定焦点のレンズなら、単純に焦点距離を調べます。
ズームレンズなら焦点距離を変えられるので、焦点距離の範囲を調べます。例えば焦点距離が「18-55mm」と書いてあったりします。
例えば焦点距離が「18-55mm」と書いてあるなら、最も短い焦点距離にして撮影するなら焦点距離は18mm、最も長い焦点距離にして撮影するなら55mmということになります。
「ステラナビゲータLite」でセンサーサイズを設定する
「ステラナビゲータLite」の「視野・写野」のタブをクリックします。
「写野角」の欄の「撮像エリア」をクリックします。
「センサーフォーマット」の欄で、自分のカメラのイメージセンサーのサイズに対応するものを選びます。
例えばカメラのセンサーのサイズが「フルサイズ」と書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄で「35mm」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「APS-C」と書かれ、センサーの寸法がおよそ「23.6×15.8mm」くらいに書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄で「APS-C(×1.5)」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「APS-C」と書かれ、センサーの寸法がおよそ「22.3×14.9mm」くらいと書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄で「APS-C(×1.6)」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「フォーサーズ」や「マイクロフォーサーズ」や「4/3型」やおよそ「17.3×13mm」くらいと書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄で「フォーサーズ」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「1.0型」や「ニコンCXフォーマット」やおよそ「13.2×8.8mm」くらいと書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄で「1インチ」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「1/1.7型」やおよそ「7.6×5.7mm」くらいと書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄で「1/1.7インチ」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「1/2.3型」やおよそ「6.2×4.6mm」くらいと書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄で「1/2.3インチ」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「2/3型」やおよそ「8.8×6.6mm」くらいと書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄でぴったり合うものがないため近いところで「1/1.7インチ」を選びます。
カメラのセンサーのサイズが「1/1.8型」やおよそ「7.18×5.32mm」くらいと書かれていたら、「センサーフォーマット」の欄でぴったり合うものがないため近いところで「1/1.7インチ」を選びます。
「ステラナビゲータLite」で焦点距離を設定する
「レンズの焦点距離」の欄でカメラのレンズの焦点距離を設定します。
例えば焦点距離の範囲が「10.4-37.1mm」のズームレンズで最も短い10.4mmの位置で星空を撮影するときに写る範囲を調べたいなら、「レンズの焦点距離」の欄を「10.4」mmに設定します。
ただ、「レンズの焦点距離」の欄は小数点以下は入力できないようなので、その場合は四捨五入して「10」mmと設定しておきます。
以上の設定をすると、カメラで撮影できる範囲が線で示されます。